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30代サラリーマン応援ブログ。テーマ「仕事」「海外赴任・異文化」「英語学習」「家族」など

タイで、ぼくは突然「上司」になった!教科書にないマネジメント能力の磨き方

タイで、ぼくは突然「上司」になった!

海外赴任をきっかけに、ぼくは「管理職」という新たなステージに足を踏み入れた。日本では、経験がない。突然ぼくに「部下」ができて、ぼくは「上司」になった。

ぼくが働いているのは、タイだ。当り前だけど、日本じゃない。「部下」(この言い方はあまり好きじゃないけれども)はタイ人。お互い母国語ではない英語でのコミュニケーション。

価値観も、文化も、考え方もちがう。いきなり「上司」となったぼくは、彼女たち(=タイでは職場に占める女性の数が圧倒的に多い)にとって、どういう「上司」を目指すべきなのか?それに、「管理職」に求められる「マネジメント能力」とは一体何だろうか?

お勉強が大事?

まず第一にやらなくちゃいけないのは、「マネジメント」について学ぶことだ。そうぼくは考えた。

そういえば、海外赴任前に「海外マネジメント」をテーマとした社内研修をまる二日間、受講したな。赴任後の役に立ちそうだと、そのときのテキストも持っている。「マネジメントとは何か?」という概念が、図表などでわかりやすく説明されていて、おそらくその一冊を読み込めば、かなりの知識が得られるにちがいない。

でも、ぼくに足りないのは、そのような概念的知識だろうか。何かちがう。理論や概念を学ぶことは確かに大事だけれども、片手落ちだ。もっと核心をつくものというか、生身のものというか。血管をつないで、血を通わせるべき「何か」がぼくのなかにある気がした。

管理職の経験がなくても、多くの管理職を見てきた経験がある!

とある社内イベントで居合わせた上司に、率直に聞いた。その上司には、日本の大きな事業所の部長経験がある。

「本邦でのマネージャー経験のない自分が、海外で『管理職』として成長しなければいけないという焦りを感じる一方、実際にどうすればマネジメント力を磨いていけるのか分からない。実務での『経験値』を増やす以外、何か良い方法はあるのでしょうか。」

その部長の答えが、ぼくには響いた。

日本で『管理職』の経験がなくても、部下として『多くの管理職を見てきた経験』があるはずだ。そのなかで、自分が管理職(たとえば課長)になったとき、ここは真似しようとか、こういうところは絶対に真似しない、と感じてきたことが多々あると思う。

たとえば私の場合、意思決定の遅い上司のもとで苦労した。そのときに『自分が管理職になったら絶対に意思決定だけは速くやる』と決めて、その通りに実行してきた。

だから、まずは自分の身に置き換えて発想する、というのが大事。あとは真似しようと思ったことをひとつひとつ実行し、決して真似しないと思ったことを実行しないようにすればいい。そうやって、自分の『管理職』としてのスタイルが出来上がっていくものだ。

表情がクールで取っつきにくかったその上司の言葉が、あたたかかった。ふと、肩から余分な力が抜けた気がした。「足りないもの」を探す必要はない。きっともうすでに、ぼくのなかには「管理職として目指すべき姿(イメージ)」がある。それを掘り起こして、日々実践していくのが、いまぼくがやるべきことだ。

自分自身に向けた「問い」こそが「答え」だ!

自分の身に置き換えて発想する。

異文化でのコミュニケーションでも同じ。「現地のスタッフとどう接すればいいのか分からない」と悩むのでなく、「自分なら(外国人の上司がいるとして、その上司から)どう接してほしいと思うか?」を考え、アイデアを出す。

「自分が(自分の)部下だったら(上司である自分を)どう思う?どう接してほしい?どう改善してほしい?」

今より先に進むために必要なのは、自身に向けた「問い」だ。それが、「答え」だったのだ。

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