海外赴任4ヶ月目の現地マネジメント
海外赴任では、上司や関連部門の日本人出向者とよく連携し、現地スタッフが生産的に働くための仕事の進め方や管理方法、そのための仕組みづくりを考え、実行していくことが求められます。
最終的には「現地スタッフが自ら考え、自分たちで組織活動をまわしていく」ことを目指すのですが、過渡期においては、
日本人出向者がリーダー集団となり、現地スタッフをよく巻き込みながら、仕事の管理手法や実践レベルを無理くり引き上げる
という、半ば強引な「底上げ」が必要になります。
特に組織としての発達段階が未熟な場合、
「四の五の言わず、やれ!」
と、現地スタッフを引っ張って引きずり回すくらいの覚悟が、絶対に必要だと思います。
こんなことを言うと、「そんな強引なやり方では現地スタッフがついてこない。現地の文化や考え方を尊重して、それに合わせる配慮をすべきだ」と非難されるのかもしれませんが、
あくまで「覚悟」の話です。
実際に現地スタッフに対して仕事を指示するときには、相手の気持ちに配慮してソフトな言い方をしたり、相手の表情や態度に気を配りながら、指示の背景や組織目標、相手に期待していること等を説明することになります。
だけど、マネジメント側としては、
「四の五の言わず、やれ!」
という覚悟を心に持っていなければならない。要は、「何が何でもやらせる」という太い信念と、相手に大なり小なりストレスをかける図々しさです。
“ハードな覚悟をもって、ソフトに伝える。そして、動かす”
というのが、僕のこれからの(マネジメント側としての)テーマです。
やっぱり、組織を動かすためには、戦略も必要なのです。
僕はよく現地スタッフ(ここでは、僕の管轄する部署の「部下」という位置づけになります)と仕事中に軽く雑談を交わしたり、積極的に話しかけたりするのですが、
それは言わば僕なりの戦略だったりする訳です(笑)
日ごろからコミュニケーションの敷居を低くして、会話の活性度を保つ努力をしていれば、仕事上のつまずきや進捗の報告も自然と部下のほうから上がってくるようになるんじゃないか、
それを狙って、日々試しています。
マネジメント側として、「部下と仲良くなること」が目的ではない。「組織目標を達成するために行動させること、その管理をしっかり行うこと」がマネジメントとしての存在意義であり、僕の仕事です。
その仕事を遂行しやすい環境をつくるための戦略が、部下との日々のコミュニケーションです。
「冷徹なヤツだ」とお叱りを受けるかもしれませんが(笑)
だけど僕は、僕に関わっている部下、そして上司には、「生き生きと働いてもらいたい」と本気で思っています。
その想いと、僕のマネジメント論は決して矛盾しない、と僕は考えています。