上司と部下は選べないが、どういう関係性をつくるかは自分でデザインできる
会社員は、上司と部下を選べない。
実際に多くのひとが、上司や部下との関係性やコミュニケーションの取り方に悩んでいます。ぼく自身、社内で“悪名”高い、「困った上司」の下でかなりの年月を働いてきました。
上司との関係性の善し悪しは、仕事のパフォーマンスに大きく影響します。
会社員にとって「上司は選べない」のは事実ですが、だとしたら、そもそも「自分以外の誰かが決めた関係性(上司や部下など)」に頭を悩ましたり、仕事のパフォーマンスが落ちるほどの影響を受けたりするのもおかしいのではないか、と思うのです。
極論ですが、いっそのことその「誰かが決めた関係性」を、もっとドライに考えてはどうでしょうか。
上司や部下との人間関係のストレスや悩みで、自分が潰されては何もならない。もっと自分が仕事をしやすい環境をつくるには、目の前にいる上司や部下との関係性をどうデザインすればよいか、を戦略的に考えることです。
上司や部下、その人自身を好きになる必要はない。だけど、彼らとの「関係性」を、もっと巧くデザインすることにアイデアを練る。
上司や部下が何を求めているか、何を問題と考えているか。
彼らに対する「評価」は一旦脇に置き、彼らの考え方やロジックを理解しようと努めてみる。兵法でいうところの「敵を知る」ということ。そして、自分ができること、やるべきことを、坦々と提供していく。
あくまでも、「関係性」に焦点を当てる。割り切って、“うまくやる”しか自分を守れないし、活かせないのだから、仕事を通して「良い関係性」を戦略的にデザインする努力が必要なのだろう、とぼくは考えています。
偶然出会ってしまった上司や部下。自分には、それを選ぶ権利がない。だとするなら、彼らを好きになれないと悩むのは効率が悪い。
どうやって自分が働きやすい「関係性」をデザインするか、に頭を使ったほうがずっと生産的だと考え、「困った上司」には、ぼくはそのように対応してきました。