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バンコクで繁盛する手羽先「世界の山ちゃん」に学ぶタイ人とのつき合い方

「世界の山ちゃん」の手羽先との出会いは、義妹の結婚式で名古屋に行ったときだった。

名古屋料理として手羽先が有名なことは知っていたけれども、実際に食べたことはなく、初めて「世界の山ちゃん」で食べたときは胡椒味のインパクトにビールが進んだ。

 

タイに戻ると、しばらくして「世界の山ちゃん」がバンコク市内にタイ1号店をオープンした。世界では、香港に続き2店舗目だそうだ。

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オープン当初は行列がものすごく、「しばらくしたら客入りも落ち着くだろう」と数ヵ月様子を見たけれども、客足は収まることなく繁盛が続いた。

もう今では何度も行っている。同僚と3人で席に座ると、ビールと「手羽先6人前」をいつもとりあえずオーダーする。店内には日本人もいるが、ほとんどがタイ人だ。「世界の山ちゃん」はタイ人に受け入れられ、だからこそ連日繁盛している。

タイでは、鶏の手羽先がよく食べられる。

タイ料理のお店でも、手羽先料理は必ずと言っていいほどある。タイの鶏は安くておいしい。味つけはどちらかというと甘っからいものが多いから、「世界のやまちゃん」の強烈な胡椒味はタイの人びとにとって斬新な味だったにちがいない。

バンコク市内では、常に新しい店がオープンし、その陰でまたひとつ店が潰れていく。

日本からの進出店舗がこのバンコクで長く営業を続けるには、日本人だけでなくどれだけタイ人に受け入れられるかが鍵を握っているようだ。

「世界の山ちゃん」は、きっとタイ人の「手羽先を食べる習慣」に絶妙にマッチした。「手羽先」は「世界の山ちゃん」の持ち味であると同時に、タイ人の味覚をつくってきた伝統的な料理でもあった。

この「手羽先」という共通項があり、その上で「強烈な胡椒味」という新しい切り口を提供したことが、「世界の山ちゃん」の成功を支えている。

 

少し前に、日本から出張者がやってきた。その彼が、「お土産に」とどこか有名どころの羊羹(ようかん)をくれた。

一般的に言って、タイ人は甘いものが好きだ。タイのケーキを食べてみるとわかるけれど、日本人には「甘過ぎる」と感じるほど甘い。アイスコーヒーも砂糖とミルクで甘ったるいのが普通で、ブラックでは飲まない。

お土産にもらった羊羹をタイ人スタッフが食べて、彼女は「甘過ぎる…」と言った。ぼくも食べたけれど、むしろ甘みが抑えられていて、あと味の良いほどの羊羹だったから、そのとき「変だな」と感じていた。

 

タイ人には「羊羹を食べる習慣」がないので、羊羹を受け入れる素地ができていない。

 

馴染みのない、風習的・文化的な「共通項」のないものに対して、きっとタイ人は簡単には受け入れない。

タイ人に受け入れられ理解されるためには、彼や彼女たちの習慣や価値観や文化を踏まえていなければならない、というのが大前提のようだ。

これは、日本人駐在員マネージャーとして、タイ人スタッフとどう関わり、彼らをどう動かすかを考えるとき、大きなヒントになるようにぼくには思えた。