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30代サラリーマン応援ブログ。テーマ「仕事」「海外赴任・異文化」「英語学習」「家族」など

海外で食べる一番おいしい料理

先日、タイの同じ職場で働く上司が、ホームパーティーを開いてくれた。

大阪出身のその上司は人情に厚く、ぼくのような部下への気遣いもあり、関わる人たちを大切にする。

そのパーティーに、海外研修生として1年間タイで仕事をしているぼくの後輩(仮名・A君)も呼ばれた。

 

この会社には、海外研修制度がある。

社内選抜に合格すると、事前に語学や異文化に関する研修を受け、その後1年間海外の勤務地に「海外研修生」として派遣される。

海外研修生は、派遣国の語学の習得とともに、海外での国際業務にあたる。研修後は、その海外業務経験を活かせる職務に就き、やがて正式な海外赴任(赴任期間:3年~5年程度)として海外業務に従事することになる。

原則として、海外研修期間中は、日本へ帰国することができない。

 

 

ホームパーティーでは、手羽先料理がメインであったけれども、ポテトサラダや肉じゃがなど、いわゆる「家庭料理」も振る舞われた。

後輩のA君は、「おいしい、おいしい」と言って、メインディッシュよりもその「家庭料理」の味に感動していた。

あとで聞いた話では、同じ食卓を囲んだ上司の娘さんも肉じゃがを食べたかったのだけれど、あまりにA君がそれを食べ続けているので、遠慮をして、食べることを諦めてしまったらしい。

 

ぼくも海外研修生として、シンガポールに1年間赴任したことがある。タイに正式に海外赴任する3年前のことだ。

研修期間も終わりに近づいたころ、ぼくも当時の上司のホームパーティーにお呼ばれし、「家庭料理」をいただいた。

 

シンガポールでの研修期間中に食べた料理のなかで、何が一番おいしかったか?と問われると、ぼくは間違いなく、当時の上司の家で食べた「家庭料理」と答える。

 

きっと同じように、後輩のA君もまた、先日食べた「肉じゃが」と答えるだろう。

 

研修期間中、日本へ帰国することができない海外研修生にとって、海外で食べる「家庭の味」ほど、印象深く感動的な料理はなかった。

 

海外でも日本料理店はたくさんあり、肉じゃがもポテトサラダもいつでも食べることができるのだけれど、お店での味と、家庭での味はまったく違っている。

 

海外でひとりで暮らす今の日常では、かつてはありふれていたはずの「家庭料理」を味わうことができない。

 

肉じゃがの味わいが、離れた日本の家族の輪郭をはっきりと際立たせる。

 

ホームパーティーでの「家庭料理」が印象深く、感動的なのは、きっとそういうことなのだろうとぼくは考えていた。

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