もっとキャリアを楽しもう!

30代サラリーマン応援ブログ。テーマ「仕事」「海外赴任・異文化」「英語学習」「家族」など

大事な仕事を控えるあなたに効く薬!「いま」という時間の使い方

翌週に大きな会議を控え、そのための資料準備に慌ただしく取りかかっていたときのことだ。

「大きな会議」というのは、ぼくが駐在する海外子会社の社長に対して、部としての方針をプレゼンし、これからの活動施策の合意を得なければならない会議。失敗すれば、これまでみんなでつくり上げてきた中長期的な活動プランがご破算になる。

プレゼンのための資料を何度も推敲し、現地スタッフ(タイ人)も根気よく手伝ってくれた。連日の残業で、つかれているのは表情からもわかった。

・・・

スタッフたちの頑張りのおかげでほぼ完成を迎える資料を整えながら、ぼくは

「来週の会議のことを考えると、気が重くなるね・・」

とスタッフに言った。

すると、そのタイ人スタッフはこう返した。

「会議は来週でしょ?どうしていま来週のことで悩む必要あるの?」

彼女の言う通り、翌週のことを考えていま気持ちを重くする必要はない。何度かぼく自身も、こんなニュアンスのことを言いながら、誰かを励ましたこともある。

だけど、「あまりにも自然」に言ったその彼女の仕草が、妙に印象的だった。

前向きなことを言って励まそうとする意図が彼女にあったようには見えない。ぼくの言葉尻をつかまえて茶化している様子もない。

純粋に、ただ単純に、「どうして将来のことで『いま』気を重くする必要があるの?」と、彼女はぼくに聞いた。

・・・

もうこの出来事から随分時間が経つ。

けれど、あのときの彼女の問いかけが、ぼくの頭のなかで大きくなっていく。

先のことを考えたり、見通しを立てることはたしかに大事だ。けれども、時として行き過ぎると、余計な心配をしたり、気をもんだりしながら、「いま」を潰してしまう。

将来のことなんて考えなくていい、と言うのとは違う。

先を見通し、必要なものを準備したり、対策を考えたりと、やるべきことをやるために「いま」を使うのが大事なことだ。反対に、将来の心配をしたり、悩んだり、暗く落ち込んだりするために「いま」を使わない、それもまた大事なことなのだ。

あのとき彼女にとって、大事な会議のためにプレゼン資料をみっちりと準備することには納得するが、

「会議がうまく進行しなかったらどうしよう」とか「社長が方針を否決したらどうしよう」とか、

「いま」答えが出ようもない心配事をして、「いま」気持ちを重く沈ませる理由の見当がつかなかったのだ。

「いま」やるべきことに「いま」を使わなきゃいけないな

と、ぼくは彼女に気づかされた。

さあ、明日もがんばろ!