読書録 大前研一著 『稼ぐ力』(1)日本経済の問題点
大前研一著『稼ぐ力 仕事がなくなる時代の新しい働き方(小学館)』を再読しました。
同著では、日本経済の「構造的な問題」が分かりやすくまとめられていたので、ポイントを紹介させていただきます(備忘録として)。
・日本では、この20年間、対外投資(日本企業による海外への直接投資)は急増しているものの、一方で対内投資(海外の企業による日本への直接投資)はほぼ変わっていない。
(同著によると、2011年末時点で、対外投資は対内投資の4.3倍だそうです)
・この「対内投資が増えないこと」=「海外から日本に投資(雇用)を呼び込めていないこと」が問題であり、日本経済がジリ貧になっている理由である。
・なぜ対内投資が増えないかというと、日本の高い法人税や、雇用の硬直化(たとえは、希望者を65歳まで雇用することを企業に義務付ける改正高年齢者雇用安定法)が、海外企業にとって大きな障壁となっているから。
・この障壁は、日本企業にとっても負担が大きいため、苦肉の策として海外に活路を見出さざるを得ない(=日本メーカーの海外進出)。そして一度国外へ出ていったメーカーは、円安の局面であっても工場を日本に戻すことは(現実的に)できない(=メーカーの「輸入業者化」)。
・日本国内の空洞化がますます進む(=雇用が流出)。
・この厳しい環境下で日本企業が活路を見出すには、
①「海外展開」をより積極的に進めて利益を得るか
② 大規模に海外人材を受け入れ、(国内で)新たな産業を産むか
※ただし②の場合、法律や制度の改革が必要
が、現実的な選択である。
・いずれの場合も、個人が今後生き残るためには、「グローバル人材」としてのスキルを磨くこと(=稼ぐ力)が大切。
このブログで今後も取り上げていくつもりですが、日本経済や日本企業の現状をざくっと理解することは、僕たちサラリーマンにとって大事なことです。
情報をよく整理しながら、いま必要なアクションを考え、実行していきましょう。