単身赴任(3)父親がそばにいなくても大丈夫!
父親が海外単身赴任。ぼくにとって、2人の娘たちと会い、一緒に食事をしてお風呂に入り、寝かしつけをするというような「娘たちと共有できる時間」は、年に3度の長期休暇(タイ正月、お盆、年末年始の休暇)のタイミングだけだ。
まさに「父親不在」の家庭です。
ネットで「父親不在」と検索すれば、日本国内外の学者の研究成果が引用されている。
・子どもの情緒が不安定になる、子どもの学業的達成度に差が出る、子どもの社会適応力が父親のいる家庭と比べて…云々。
だけどぼくは、いまの境遇を前向き(楽観的?)に考えている。
父親はいない。でも、いつもそばで娘たちの成長を支える妻がいる。
彼女は娘が不調となればすぐに病院に連れていき、自分の職場のシフト調整をしている。幼稚園の「連絡ノート」に娘たちの家庭での様子や成長の過程で気になることを書き留め、先生と共有し、娘たちへの指導や接し方を日々考える。電話やLINEをつかって娘たちとぼくのコミュニケーションの架け橋にもなってくれる。
近くに義父母と親戚が住んでいて、妻ひとりで抱えきれない子育ての負担をサポートしてくれたり、時々外食やお出かけを一緒にして精神的なストレスを彼女が抱え込まないよう配慮をしてくれる(ほんとうに感謝しています)。
従姉妹(いとこ)は自分よりも年下の娘たちのことを気に入ってくれていて、一緒に遊んだり、お風呂に入ったりしてくれる。
娘たちのまわりには、あたたかなネットワークがある。娘たちが困ったとき、弱ったとき、傷ついたときに、いつでも手を差し伸べてくれる確かなネットワークがある。
父親が物理的にそばにいるかどうかだけが問題なのではなく、もっと本質的に「たくさんの愛情に包まれているということ」、つまり自分にはたくさんの味方がいる、支援者がいる、相談相手がいる、逃げ込む相手がいる、自分のことを大切に思ってくれる人たちがいるということを、
娘たちが彼女たちなりに、日々の生活のなかで実感することのほうが何倍も大切だとぼくは考えている。