「自分事」として引き受ける
新入社員の頃までさかのぼらなくても、まだまだ社会経験の浅いときは(かと言って今だって長いキャリアのなかでは「浅い」部類に入るのだろうが)、何の後ろめたさもないままに他人を批判することができた。
だけど仕事の経験を重ねるうち、だんだんと他人を批判することや、文句や愚痴を言うことをためらうようになってきたのは、サラリーマン根性が僕の感性を鈍らせてしまったから、ということでもないでしょう。
「他人事」でなく「自分事」として考える。その視点のシフトが大きいと思います。
面倒な仕事を任されたり、自分が作成した資料にダメ出しされたりしては、愚痴や文句のひとつでも言いたくなる。たしかに言いたくなるけれども、その問題を「自分事」として考えてみると、
面倒だと感じるのは、普段から自分が仕事の整理や優先付ができていないからだったり、
作成した資料を突き返されたのは、自分が事前に上司と十分なコミュニケーションをとり、上司の考える資料の意図や目的を汲み取っていなかったからだったり、
そんなふうに、いくつもの「(自分が)改めるべきこと」に気づきます。
要するに、どこまでいっても自分の問題。そんな開き直りというか、達観というか、がときには必要だと思う。
境遇に不満を言ったり、他人を責めたり、批判したり。その前にまず、その問題を「自分事」として引き受ける覚悟を、僕は持ちたい。