楽しく仕事をするということ
「美味しい料理を食べる」ということと、「美味しく料理を食べる」ということは、一見すると同じことのようですが、根本的な違いがあります。前者が幸せな気持ちになるためには、「美味しい料理」が必要です。逆にいえば、「美味しい料理」がなければ、前者は幸せな気持ちになることができない、ということです。
一方で、後者が幸せを感じる基準は、「美味しい料理」そのものではありません。料理そのものの内容ではなく、料理と向き合う自分自身の心的態度が基準となっています。
これからの時代を生きるうえで必要なのは、きっと、後者のような心的態度です。
「楽しい仕事がしたい」と、多くの会社員が口にします。でもそれでは、「楽しい仕事」に出会えない限り、いつまでも不平不満が募るばかりです。
ちょっとだけ考え方を変えて、「楽しく仕事がしたい」と思い直せば、きっといま目の前の仕事のなかに、ささやかであっても、喜びの種を見つけることができるのではないでしょうか。
綺麗ごとかもしれません。だけどぼくは、ありふれた料理を美味しく味わえる感性、日常の仕事のなかにもやりがいや喜びを見出す感性をこそ、大事にしたいと考えています。