目標を立てることよりも大事なこと!
新年度が始まると、ぼくたちはこの一年で達成すべき目標を定め、その目標に向かって何をするかを考える。
目標設定は、会社方針に沿っていることが大前提で、さらにその方針を踏まえて設定された、自分の所属する部門の組織目標を踏襲して考える。
上司と面談をし、自分のこの一年間の活動目標が決まる。
目標設定の段階では、ぼくはほんとうにやるべきだと思うからこそ、その目標を設定している。自分のやれることと、やりたいことと、やるべきことを良い塩梅で織り交ぜながら、この一年間でここまでやってやろうと意気込む。
言葉だけの、上っ面の目標を設定したつもりはない。
けれど毎年、年度末になってその一年間の成果を報告する段階になると、「この一年間の目標って何だったっけ?」と、年初につくった目標設定シートを再確認している。
たとえば目標を5つ設定したとしたら、一年後にどこまで覚えていられるかわからない。大雑把には答えられるだろうけれども、細部までビビットに言い当てられるか、はっきり言って自信がない。
何かを掲げたとき、それを今日明日からの日々の行動にどう織り込むかが、だからきっと大事な鍵を握っている。
毎日、毎週、あるいは毎月の行動のなかに織り込むことができれば、活動は目標に向かって前進を始める。
耳障りの良い、体の良い言葉で目標を語ることが、何かを生み出す力にはならない。どれだけ力強い言葉で飾っても、ぼくは動かず、きっとまた同じ日々を繰り返す。
問題は、その「あと」にちがいない。
目標を設定することではなく、「設定したあとに何をするか」「設定したあとに何を変えるか」を吟味し、日々の活動にブレークダウンすることにこそ、力を注がなければならないし、
新しい日々に散りばめた目標の欠片たちを、大事に拾い続けていくことに苦心しなければならないのだろう、とぼくは思っている。
もう一度、新年度に立てた目標を、開いて見ることにしよう。