運動習慣が仕事力を強化する理由
『カラダマネジメント術!』(本田直之著・マガジンハウス)が面白い。
本格的なトレーニングでなくても、運動習慣をつけたいとか、何かカラダを動かしたいときに、その湧き出た衝動にエネルギーを注入するような、「強壮剤」のような本です。
運動習慣の有効性について、一般的にはあまり言われていないこと、だけどこれを知っていると「やる気」でる!とぼくが感じた内容を紹介します。
まず、トレーニング(運動)によって自分が(無意識に)決めつけていた自分の「限界値」を突破しよう、というお話。こういう視点、初めてです。
限界値には、掛け値なしの肉体的・物理的な限界のほかに、自分で決めている心理的な限界があります。
肉体的な限界を超えるとカラダが壊れてしまうので、そうならないように肉体的限界の遥か手前に心理的な限界が設定されています。ところが、トレーニングを続けると、心理的限界が肉体的限界に近づいて、自分の潜在能力を100%に近いところまで出せるようになります。
カラダを鍛える=心が強くなる。カラダと心はつながっている。
で、そのメンタル面での限界線を引き上げると、仕事のパフォーマンスにもよい影響を与えるのだそうです。「体が資本」って言葉があるけれど、この言葉にもつながりそう。カラダは奥が深い。
自分で限界値を決めないクセをつけると、こなせる仕事の範囲がうんと広がります。その相乗効果で組織も会社ももっと伸びることができるのです。
カラダを通して、可能性を広げていける。前向きになれます。
で、じつはカラダを通して脳の活性化にもアプローチできるというお話も。脳科学は面白い。そういえば、脳科学者の茂木健一郎さんも走ってます。
運動を続けると、筋肉で脳細胞の成長を促す物質ができて、それが血流に乗って脳まで運ばれます。さらに脳内では、神経細胞の成長を促す物質が分泌されます。こうした成長因子の作用で、脳の機能が活性化されることもわかっています。
最後に、筆者イチ押しの「休日の過ごしかた」について。
ダラダラしない週末を過ごすには?朝イチの運動です。無理せずにできることを続けていきたいものです。早く週末来てほしい。
せっかくの休みを怠惰に過ごして無駄にしないためには、トレーニングで生活のリズムを作ることが大切です。
(中略)週末、午前中からカラダを動かすと、ウィークデイの疲れやストレスが取れてさっぱりします。そしてあとの時間は、家族や子どもとゆっくり過ごせます。一日が長く使えて、家族にも迷惑をかけることなくカラダマネジメントができる。週末の朝のトレーニングは生活リズムを作る秘訣なのです。