現場を知る者
「現場のことが分かっていない」と上司に腹を立てる人は多いし、僕にだってその気持ちはよくわかる。だけど、そういう愚痴を言ってのける人たちから、具体的な改善案が出てくることはまずない、と言い切ってしまってもいいかもしれない。
とくに海外駐在となると、日本国内とは異質のマネジメントが求められるなか、日本並みの活動や管理レベルを要求される現実に、
「現場のことがなにもわかっちゃいない」と文句のひとつやふたつ、出てくるものだと僕は思っている。
だけど気をつけなくちゃいけないことは、
「だから、できない」
にならないことだと思う。
現場を理解し、実態をよく知る人間は、現実を踏まえた提案を練り出すことに価値が産まれるのであって、
「いまの現場では無理」とか「実態がついてこない」とか、「NO」と言うための抗弁を考えること自体には、一片の価値もない。
「この現状で、いまできることはなにか」
「第一歩、なにから始めるか」
その問いを常に持ち続け、前向きに、ワクワクした気持ちで向き合っていること。
それが、「現場を知る者」の責任ではないか、と僕は思っている。